(徳島地判・昭和46年1月19日下民集22巻1.2号18頁)
(徳島地判・昭和46年1月19日下民集22巻1.2号18頁)
「一般に有限会社の出資持分が共同相続された場合には,遺産分割がなされるまでは,その口数Iこか出わらず,右持分全部について相続分に応じた準共有関係が生ずると解すべきである(この理を当然の前提として説示している最高裁判決昭和45年1月22日民集24巻1号6頁参照)から,本件原告ら5名の共同相続人が,全員の意思により,前記法条に則り原告を社員権代表行使者と定め,その旨被告会社に通知したことはそれ自体正当適切な措圏であり,右の段階に限れば,原告は特約により他の持分権者4名の総意を徴すべきか否かの内部関係は暫らくおき(原告らの決議書の文言参照),まさに右1、300口の議決権を自己の名において代表行使しうべき立場にあったというべきである。(もつとも,前掲乙第2号証によれば,被告会社の「社員名簿」には本件1、300口の権利者名義を亡Aから原告ら5名の共有名義に変更した旨記載しているだけで,代表者が原告である旨の記戟はないことが認められるが,被告会社が代表届を受理しているかぎり,通知の効力は発生すると考えられる。)以上の見解に反し,出資持分は可分債権と解すべく,それ故共同相続により性質上当然相続分に応じた分割がなされるから前記のような法条の適用は初めからその必要をみないとする被告の主張はにわかに首肯し難い(なるほど,個別の権利行使が望ましいことは市民法一般の理念や会社法上の技術的要請に鑑み被告主張のとおりであるが,右のような要請は,元来広く共有関係,殊に分割前の遺産管理関係一般に対して向けられるべきものであり,現に我が民法はか出る場合いつでも分割請求をなし個別所有に解消する建前をとることによって前記要請に答えていることは周知のとおりである。また,一口に出資持分権,社員権といってもその内容は多岐にわたり,それは権利というより地位というべきものであり,これを金銭債権の如き可分債権と同一視することは困難である。のみならず,被告主張のような可分債権の扱いをしてみても割り切れない端数については準共有関係を承認さぜるをえないが(但し,本件ではたまたま計数上あたかも260口ずつに可分であったが),商法203条2項はか出る例外的な場合に限って適用されることを予想して定められたものとは解し難い)。」